テーマ:都市と地方をかきまぜる
2024年7月12日、2024年度第一回目の入門編が開催されました。
この日、基調講演を行ったのはお隣・岩手県花巻市の「雨風太陽」代表取締役である髙橋博之さん。
「都市と地方をかきまぜる」というテーマでお話をいただきました。
人口減少は悪いこと?
岩手県も秋田と同様に「人口減少」という社会問題を抱えています。
だが、人がいない、少なくなっていくことは悪いことでしょうか?
人が減るという事実を、ポジティブに捉えていこう、と僕は考えています。
実際、江戸時代に日本の人口は3,000万人でした。
そんなときでも人々は凛として生き、文化が花開き、ペリーに立ち向かったんです。
戦後の高度成長期から、日本は人が増えていくことを前提にしてきました。
それが今も続いているからしんどくなるんです。
減っていくことを想定して物事に取り組む必要があります。
今回のテーマに「都市」と「地方」の2つを挙げていますが、この2つは分断することができません。
人の体で言えば、頭と胴体のようなものです。地方で農業に携わり、食糧を生産して供給する人たちがいなければ、都会は成り立たない。輸入品だけで生きていくことは難しいからです。
消費することがメインになった社会で、生産者の顔は消費者からは見えない状態でした。
消費者と生産者のつながりを作り、関係を作ることで地方のことが「他人事」ではなくなるんです。
だから私は「東北食べる通信」を創刊し、地方の生産者と都市を繋ぎました。すると、産地を応援したいと考える人たちがやはりいるんです。他人事ではなくなった、それが関係人口だと思います。
都市と地方を共存させる
都市と地方。合理性と非合理性。それらを一緒にせず、共存させることが必要です。
地方の人は先祖代々受け継いできた、その土地があり、関係性がある。そこからむりやり離れさせると、生きていけなくなる。取り替えることができないものは、かけがえのないものなんです。
田舎での暮らしは、他のものに替えることができない。
その「かけがえのないもの」の価値を理解し、PRすれば観光資源にもなります。
都会の人が持てずにいる、田舎にはあるものを探しましょう。
地方で生産者がこだわって作物を作ることは、魅力になる。そこを実際に目にして体験し、販売することでファン作りにつながる。ファンになれば、仲間になれば、他人事ではなくなる。
一つ大切なことは、これを実現するためには、田舎の魅力を分析し、言語化する必要があります。
言語化する、という作業をしていきましょう。
「地方」と「都市」をつなぐ、移住とは異なる「関係人口」という概念について、お話いただきました。事業の新たなヒントとなった方も多いのではないでしょうか? 髙橋博之さん、ありがとうございました!